血清培地には、血清中にトリプシン阻害剤が存在しますが、無血清培地には存在しません。そのため、トリプシン残留物が継代後の細胞培養に影響を及ぼすことがあります。本製品は、無血清培地を使用して培養したヒト間葉系幹細胞(MSC)への、トリプシン残留物の影響を低減させた細胞剥離剤となります。また、動物原料不含のケミカリーディファインドな細胞剥離剤であるため、再生医療研究にも適しています。
ヒト脂肪組織由来MSCを無血清培地で培養したのち、各種細胞剥離剤で剥離した。その後、PBSで洗浄し、同一の播種密度で継代培養を実施した。培養3日後、各種細胞剥離剤で細胞を回収した。継代前後において、細胞剥離剤による生存率への影響は、いずれもなかった。しかし、継代後の回収生細胞数において、D101-AF-500は競合品よりも増殖が良く、細胞剥離剤の影響が低かった。